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  • 内田

インサイドセールスの第一歩

更新日:2022年10月12日

さて、前回のコラムでは展示会による集客が非常に有効である事はお話しました。

問題はこの後です。

「展示会会場で有意義な話が出来た。名刺も獲得出来たんだから即商談に持っていきたい。」

と考えてしまう担当者はいるかと思います。確かにそのような展開になる場合もありますが、それはあくまでも「まぐれ」と捉えるべきだと考えています。

このまぐれの数を去年の出展と比べてみてもあまり意味がありません。残念ながらその数字は貴社の展示や接客内容とはほとんど関係が無いからです。例えば出展ブースを昨年の倍にして集客数が3倍になった、ということで商談数が増えるという事はあるかもしれませんがそれは来場者の絶対数が増えたので、まぐれの数も増えたというだけなのです。


それをきちんと認識していないので、接客中の感触が良かった先や見積依頼があった先だけフォローし、その他は同報メールでお礼のメールをするくらいで後は放置状態、という事になってしまいます。

それではダメなのです。感触の良かった先をフォローするのがダメと言っているのではありません。その他を放置する事が展示会の出展価値を大幅に引き下げていると言っているのです。

以前のコラムでもお伝えしていますが「展示会に来場する=顧客になる可能性はある」と考えると、放置する事で1年先、2年先、それ以降の未来の受注・売上を放棄しているという事になります。

今、ここで手当する事で、1年経った時、2年経った時に「時間とエネルギーを浪費して新規開拓をしなくても、顧客創出・商談創出」が出来るのです。そんなに素晴らしい未来を作る事をなぜ放棄する必要があるのでしょうか。


「そんな事言っても何年も先の、しかも注文くれるかどうか分からない見込顧客を今、追いかけていても目先の成績に繋がらないよ。部長に怒られるだけだ。俺にメリットは無い。」といった声が聞こえてきそうです。そうです、展示会出展しなくたって営業担当者は忙しいのです。そして常に数字のプレッシャーに追いかけ回されているのです。偉いなぁ。営業は会社のみんなが食うために頑張ってくれているのですね。


ですから営業担当者にはしっかり売上をあげるところ、つまり「受注」する事に集中してもらいましょう。クローザーとしてピシャリと案件をクロージンングしてもらいましょう。そして、それまでの「どうなるか分からないが未来の商談にしていく」部分の活動は別部隊=インサイドセールス部隊が時間をかけて丁寧に実施していくようにするのです。


インサイドセールスの定義を改めてここで申し上げたいと思います。

  1. 内勤型の営業担当者が電話やメールにて顧客にアクセスする(名刺データがあるので、直接可能です)

  2. 見込顧客(リード)の情報をきちんと把握した上で活動する(一度情報把握した場合、二度目以降は顧客情報を踏まえたトークになります)

  3. 商談化するまでフォローをする

  4. あくまでも個人ではなく、組織として対応する

  5. 商談に結びつくタイミングで営業(フィールドセールス)に引き継ぐ

このようなインサイドセールスの活動を半年、一年継続していくと必ずある一定割合「5.」にあたる状況が現れてきます。(ちなみに初めて数日や数週間で「5.」が出現したとしても、これはまぐれです。まぐれは勿論大事に受注に向けて商談を進めていってもらいたいと思いますが、それをインサイドセールスの効果測定の数字には入れない方が良いでしょう)


インサイドセールスの活動上のポイントは特に無理にアポイントを取ったり、売り込んだりする必要は無い、いやむしろしない方が良いという事です。日々受注に向けて奔走している営業の負荷を下げるためには「商談化しないアポイント」は取得しない方が良いのです。


インサイドセールスは、

  • 「情報提供・案内をして良いという許諾を得る」

  • 「お客様の状況をヒアリングして把握する」

  • 「その会話により良好な関係を作る」

  • 「情報の鮮度を保つ(電話番号や住所の変更、担当者の部署や役職の変更)」

ということを確実に実行していくのがその役割です。この継続こそ、需要が発生した時に他者に先んじてその情報をキャッチし、優位な立ち位置から商談を始める事が出来るキーポイントなのです。


今回は展示会のフォローという切り口で話を展開していますが、これはウェブでの集客でも人からの紹介でも同じ事が言えます。いずれの場合にもせっかく得た接点を放置状態にせず、次のステップへとつなぐためにインサイドセールスは非常に有効な手法なのです。

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